モラン校

 

ネパール南東部、インドとの国境に面した街、ビラトナガルに2つ目のYouMeスクールがあります。
街並みは、カトマンドゥやポカラのような山岳地域ではなく、平野で平地が広がっています。

“ビラトナガル”はネパール語で“大きな街“を意味しており、文字通り国内で二番目に大きな都市です。
街には工場が多く、加えてインドとの国境に近いために、インドからの輸入品のほとんどがビラトナガルを拠点にネパール国内に流通します。物価も比較的安いく、各地から多くの人々が買い物に来る、ネパールの中では比較的栄えている街です。
ビラトナガルの街を散策すると、学校と工場の多さが目立ちます。
全寮制の大きな私立学校や、各学校が所有するスクールバスをたくさん目にします。工場は主に、お菓子のメーカーのものが多く、ビスケットやケーキ、パンなどを生産していました。
1日に大きなバスが何台も来ます。しかし、観光客や海外から訪れた人を見ることは全くありませんでした。


気候に関しては、夏はとても暑く、最高で40℃くらいになりますが、冬は反対に一桁になるくらい寒くなります。日中での寒暖差も激しく、日本にはない気候です。
夏はキラキラと照りつけるような暑さで、外にいるときには熱中症にならないように気をつけなければならず、飲み水の確保や日陰になるような大きな風通しの良い建物が必要です。冬は反対に冷え込みます。

この地域には、様々な民族やカースト層の人々が共に暮らしています。そして、ネパールの学校生活においてはしばしば民族やカーストの異なりが問題を引き起こしてきました。

ネパールの公用語はネパール語ですが、民族ごとに異なる言語を持っています。学校に通うまでは家庭内で民族の言葉を最初に習得する子ども達も少なくありません。その結果、学校内でも多くの民族の言語が飛び交っており、意思の疎通が難しい時があります。


実際にビラトナガルのYouMeスクールで教えていると、それぞれの民族の言語だけでなく、隣国インドのヒンドゥー語も話す生徒がたくさんいたことに驚かされました。学校でネパール語をしっかりと学ぶことは子どもたちにとってとても重要なことなのです。


また、ネパール社会に存在するカースト制度は学校生活にも影響を及ぼしてきました。
YouMeスクールでは、学校の中だけでもそのカースト制度をなくそうと様々な工夫を施してきました。
その代表例が、「掃除時間の導入」です。
掃除というものは従来、カーストの低い層に位置する人の仕事ですが、YouMeスクールでは、その掃除を先生や、カーストの高い層に位置する生徒も含め、全員ですることにしました。毎日できるものではないので、週に一回ずつではありますが、少しずつカースト排除に向けての取り組みも進めています。
掃除をすると生徒たちから、「心がすっきりした」と言われました。この感覚を知って欲しかったので、とても嬉しかったです。今では、高学年の生徒たちが下の生徒たちに掃除を教えてくれています。このように伝統や従来の学校方針が変わっていったら素敵だと思います。
YouMeスクールではそのようなカーストのない学校を目指して運営を行ってきました。カーストの高い生徒も低い生徒も平等に扱われ、障壁のない学校つくりはYouMeスクールならではの特徴です。


ビラトナガルのYouMe Schoolでは現在17人の先生と170人の生徒がいます。日本の年少から中学1年生まで該当する子どもたちです。


ネパールでは「情操教育」(体育、音楽、美術など)が基本的に行われていません。
しかし、人格を形成する幼稚園・小学生にとって、情報教育はとても大切だと考えています。
YouMeスクールでは、絵の具やクレヨン、折り紙、けん玉やサッカーボール、縄跳びなどを寄付でいただくことができています。
それらを使用して、情操教育も行うことができています。
それらの教育を受ける中で、生徒たちが学び、気がつき、心から笑顔でいる時間が増えたように感じています。

もうすぐ、新しい校舎も完成します。完成が楽しみです。