2020年8月号

平素はご支援を賜り心から感謝申し上げます

はじめにネパールの状況をお伝えします。ロックダウンの緩和を実施してから1ヵ月が経ちますが、首都カトマンズでは、新型コロナウィルス感染者の急増により、8月20日から9月2日まで再封鎖(政府は、ロックダウンという名称を使っておりませんが、事実上のロックダウンです。)を発表し、不要不急の外出禁止、ホテルやレストランの営業停止、他の都市への移動禁止となりました。団体カトマンズ事務局のスタッフも在宅ワークとなっております。当初ネパール政府が発表していた8月中旬からの学校の再開は実現できず、コタン校、ビラトナガル校の両校も3月上旬から休校が続いています。


 <コタン校近況報告>
【3階増築完成】
公益信託今井記念海外協力基金様、公益財団法人大阪コミュニティ財団(がっこう基金)様からの助成金と、皆様からの温かいご支援により、ついに3階部分の増築を完成することができました!

今から9年前、コタン校は、竹とトタンで作った校舎に先生1人と子供8人でスタートしました。2015年には、コンクリートの校舎に建て替え、2018年には2階を増築しました。そして今年は、新型コロナウイルスの影響で建設が遅れましたが、ロックダウンの解除期間を利用し、なんとか無事に完成することができました。
教室を4部屋追加出来たことで、この地域、この村の子供たちが12
学年まで学べる機会が増えました。
子供たちが、新しくなった学校を目にして喜ぶ姿が待ち遠しいです。

 

【ラクチャバンダン祭】
ネパール暦のサウン月(7月下旬から8月上旬)の満月の日は、ヒンドゥー教のお祭りラクチャバンダン(ジャナイプルニマとも言います)があり、コタン校の子供たちも先生の寄宿舎で、お祭りで手首に身に着ける紐(御守り)をみんなで作りました。

このお祭りは兄弟姉妹の絆を祝うお祭りで、幸福で健康的な生活を送れるようにとの願を込めて姉妹が兄弟の手首にラキという紐を結びます。

ネパールは多民族国家ですが、どの民族もこのお祭りを祝います。バウン(ブラフマン)、チェットリ(クシャトリア)民族はこの日をジャナイ(聖紐)プルニマ(満月)と言いい神聖な日とされ、朝沐浴をしてから、右肩から左脇にたすき掛けをしたジャナイ(聖紐)を新しいものに取り替えます。また、標高4380mにあるゴサイクンダ湖が聖地とされ巡礼に行く人もいます。

 

【教員研修】

学校の休校を利用してコタン校の先生6人は、子供たちや公の場で話すこと、プレゼンテーションの方法を学ぶために、カトマンズからオンライン配信で10日間の研修を受けました。先生方のスピーチ力が向上することにより、子供たちへの接し方、授業の進め方等の改善が期待され、学校全体のレベルアップに繋がります。また、研修で学んだことを直接子供たちにも教えることで、子供たちの人前で話す力を伸ばすことができます。コタン校では、先生の指導力が改善、向上できる様々な研修をこれからも続けて参ります。

 

【先生へのインタビュー】
私たちの学校は、様々な地域から来た人々や多様な文化を受け入れる人々、様々な能力を持った人々をいつも歓迎しています。その共通の目標は、このコタンで平等な教育機会と質の高い教育を提供することです。今回は子供たちのお気に入りの先生ケダル・タパ(Kedar Thapa)さんにインタビューしました。

1.どのようにしてYouMe Nepalを知りましたか?

ナマステ、私はケダル・タパです。現在私は、コタン校で先生として従事しています。
2019年4月初旬、私の友人であるドリシャ・ダカルが、コタンにあるYouMeスクールの数学と理科の先生の募集について教えてくれ、当団体のカトマンズ事務局に私を紹介してくれました。私の友人であるドリシャは、YouMe Nepalが実施しているリムチュンブン市の公立学校へのオンライン授業プロジェクトのコーディネーターを務めていました。次の日、すぐに私はカトマンズ事務局に行きました。数時間の面接とディスカッションの後、条件に同意し、数日後、曲がりくねった丘、山、川を経由して8時間の旅路でコタン校に着きました。

 

2.あなたはカトマンズ出身ですが、コタンに来てYouMeスクールの先生になる決心をした理由は何ですか?

家族や友人から離れた遠くの村で働くことを選んだ理由は、カトマンズの都会にいるチャンスを手放してでも、それ以上に新しい貴重な経験がここでは出来ると思いました。私の興味を掻き立て、さらに学び、成長し、この地域に価値のある何かを還元する良い機会であると思ったからです。実際に私はこのコタンの美しい山、緑、天気、人々、そして手付かずの自然を愛しています。


3.学校の印象や経験について教えてください。

以前は、カトマンズの私立学校で2年間の指導経験がありました。それに比べて、私はこの学校が円滑に運営されていて、絶えず自分自身をアップグレードしてくれることに気付きました。学校の奨学制度は、経済的に恵まれない家庭の子供たちをサポートし、価値のある制度だと思います。また、学費は他の私立学校に比べて非常に低く、誰もが通うことができます。
しかし、山間部の地域にいることは、いくつかの欠点もあります。優秀な先生を継続的に採用することは困難です。また、一部の子供たちは学校に来るために2,3時間歩く必要があります。ここの多くの保護者は教育を受けていないか、中等教育程度までしか教育を受けておらず、家庭で学ぶための健全な環境を作ることを難しくしています。しかし、都市化が進み、インターネットへのアクセスやそして大衆の意識変化により、この地域とコタン校の見通しは本当に明るいと思います。
最後に、私の周りのすべての子供たち、教師、YouMe Nepalのスタッフ、サポーターの方々の愛は私の心に永遠に刻まれます。そして人生そのものが、このような貴重な経験で私を祝福してくれたことにとても感謝しています。


<ビラトナガル校近況報告>

インドと国境を面したビラトナガル市では、新型コロナウィルスの感染者が多く、蔓延を阻止するために7月27日から再ロックダウンをしております。現在ネパールでは地方ごとに異なる自粛規制の措置を取っています。すべての教育機関は現在の状況を考慮して学校を休校にしています。

ビラトナガル校では、8年生に対してもオンライン授業をスタートしました。8年生、9年生は英語、数学、理科、国語の4科目を毎日オンラインで授業を受けています。
その他の学年の子供たちへは、健康状態や家庭での生活を電話で確認して宿題を出しています。
私たちは、この状況の中で子供たち全員が安全でいることを嬉しく思います。


【Teej/ティージ祭】

ティージ祭は、ネパールで広く知られているフェスティバルの1つで、ネパール暦のバドラ月(8月下旬)に開催される女性のお祭りです。
このお祭りは、主に既婚女性が夫の幸福、長い人生、そして豊かな未来のために祝います。このお祭り
の最初の日は、ネパール語で「ダル カネ ディン」と呼ばれ、真夜中に家族と豪華なご馳走を楽しむ日を意味します。そして二日目は、一滴の水も飲まないで一日中断食をして過ごします。メインの最後の日は、新しいサリーにジュエリーを身に着けてドレスアップをします。
例年は女性だけで集まって、歌と踊りを一日中楽しみますが、新型コロナウィルスの影響で今年は控えめなお祝いとなりました。
コタン校、ビラトナガル校両校の先生方も各家庭でお祝いしました。


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今月のご報告は以上になります。
引き続きご支援、ご声援の程、何卒宜しくお願い致します。