平素はご支援を賜り心より感謝申し上げます
まず初めに、ネパールの現状をお伝えします。3月24日から続くロックダウンは先月1段階目の緩和を実施し、今月22日には1部の活動を除いて大幅にロックダウンは解除されました。ほとんどのお店や会社は再開され、交通機関も動き出しています。しかし、学校や娯楽施設はその1部に該当しているため、8月以降の再開となります。
<コタン校近況報告>
【教科書の配布】
先週コタン校では、保護者同伴で子供たちに今年度使用する新しい教科書を配布しました。新型コロナウィルス感染対策として学校では社会的、物理的な距離を保つため地域ごとの配布スケジュールを作成しました。その時間シフトに応じて保護者が来校して受け取れるようにしました。時間のかかる作業でしたが、このプロセスにより、一度に保護者が押し寄せることを避けることができ、教科書配布による感染リスクを最小限に抑えることができました。
学校では、先生方が教科書を取りに来てくれた親子の体温をチェックしました。
また、地面にサークルを描き社会的距離を保つように準備をしました。保護者に手洗いと消毒を徹底し、感染の広がりを防ぐために使い捨てティッシュの使用や手袋とマスクを着用し配布を行いました。
子供たちにとって、新しい教科書や文房具を手にすることはいつでも嬉しい瞬間です。
5年生のゴヴィンダ・ブラトキ君は新しいクラスの教科書を受け取り満面の笑顔を見せてくれました!
学校再開が待ち遠しいですね!
【3階部分建設中】
公益信託今井記念海外協力基金様、公益財団法人大阪コミュニティ財団(がっこう基金)様からの助成金を活用し始めた3階部分増築プロジェクトは、順調に進んでいます。
柱や梁は鉄骨にし、壁はパネル式を採用し、3階部分は重い構造にならないようにしました。
廊下や教室の地面を仕上げています。屋根の工事は完了し完成まであともう少しです。
8月中の完成を目指して建設中です。
学校が再開し、新しい校舎に喜ぶ子供の顔が早くみたいですね!
【先生へのインタビュー】
今月号は学校を始めた時から先生として私たちと一緒に活動してきたカラ・ライ先生にインタビューをしました。
ロックダウンによって学校はどのように影響を受けましたか?
ネパールでも感染者が確認されてから、学校の休校の発表があり最初は非常に混乱がありました。
しかし、ありがたいことに先生方のチームワークで3月の期日までに期末試験を実施することができました。
また、当時の学校周辺地域では感染はありませんでしたが、後にいくつかの感染者が確認され、直ちに必要な措置が取られ、事態は収まりました。ですが、私たちは依然として感染することにとても怖がっていたので、村では社会的距離を保つことが義務付けられました。
ロックダウンにより学校が再開できず、教育分野がもっとも影響を受けたと思います。
学校が閉鎖されている間は、村ではインターネットや電話に誰もがアクセスできるわけではないため、コミュニケーションを取るのが非常に困難になります。連絡をとることができなかった生徒の家を訪ねることもあります。私は生徒たちも含めて全員が安全で健康であることを前向きに思っているので、すぐにみんなに会いたいと思っています。
新型コロナウィルスの感染拡大の中で、子供たちはどのようにして学習に取り組んでいますか?また、この新しい学習適応に伴って生じたチャレンジについて教えてください?
現在の状況を考慮して、私たちの学校は、電話やテキストメッセージで生徒や保護者と連絡を取り、生徒たちの安全と健康を確認するという考えを始めました。そして、電話やメッセージで宿題を出し始めました。これは、その時点で効果的にできる最善の方法でした。
コタンのような山間部の村では、ネットワークの問題は非常に一般的です。雨が降るとインターネットの通信が悪く、電気は不安定でスマートフォンのバッテリー寿命も問題になります。
電気がある地域とない地域があり、電話を持っていない家庭もありましたが、私たちは断固として進み続け、できる限りのことをし、誰とでも繋がるように努めました。そして保護者方がとても協力的であったことを言わなくてはなりません。
ですから、教室から電話への移行は容易ではありませんでしたが、すべてのリスクを取る価値はありました。
学校が再開されない状況をどう思いますか?
私は子供がとても好きで、学校が再開されないので子供たちの出来事の瞬間を逃しています。教室で子供たちに囲まれて一緒に教え、学び、一緒に行っていた楽しい活動、彼らの笑い声、そして無邪気ないたずらっ子といる時が一番幸せだと思います。私は学校のすべてが恋しいです。
あなたは私たちの学校の設立以来の先生としていらっしゃる数少ないメンバーの1人です。今までの学校の変化を教えてください。
学校の変革を目にするたびに、私はいつもお驚いています。
先生1人、生徒8人から始めましたが、時が経つにつれより多くの生徒が通学するようになりました。また、学校が増築され、楽器やパソコン、本などの備品が整った図書室やパソコンルームなど、基本的な子供たちのニーズを満たそうとしました。これは、私たちの生徒のために質の高い教育を提供する環境作りに不可欠です。現在は、優秀な人材が増えており、始めた頃に比べて学習指導も大幅に向上しています。そして、この地域の子供たちの未来を創る手助けの一部であることを私は非常に誇りに思っており喜んでいます。
これまでの思い出と経験を教えてください。最後にサポーターさんへのメッセージをお願いします。
この学校は私の人生の重要な部分を占めており、ここ数年で得た経験は貴重です。学校に貢献できてよかったです。
学費を払えない家庭の子供のために、さまざまな方法で手を差し伸べ、彼らが学校に通うようになると、これが彼らの生活にどれほど役立つかがわかります。
私たちは、質の高い教育を提供し、未来を創ることによって、子供たちの生活を変える上で大きな役割を果たすことができると確信しています。
最後に、私たちはサポーターさんからの継続的なサポートと愛にとても感謝しています。
YouMe Schoolファミリーに参加していただきありがとうございます。
私たちの旅を皆さんと共有できて、とても嬉しいです。
<ビラトナガル校近況報告>
【子供たちの家での過ごし方】
今月号は学校が再開されず余儀なく自宅に留まることとなった子供たちの家庭での過ごし方や子供たちの自己紹介をします。
名前:チャンダニ・ライ(Chandani Rai)
学年:9年生
趣味:旅行、音楽を聴くこと、小説を読むこと、園芸
学校の女子リーダーで、2019年の学校ミスコンテストで優勝
チャンダニちゃんはロックダウン中にお花に対する興味が沸いたこと、家での過ごし方を話してくれました。
“私はいつも自然を愛しています、今では花や植物のお世話をすることを楽しんでいます。それは私のストレスを和らいでくれるんです。
ロックダウンで学校に行くことができず、友達と遊んだり、一緒に勉強をすることができず、家族全員が家で過ごしています。
家では家事のお手伝いや叔母さんの用事を手伝ったり、家族との充実した時間を過ごすことでより自立できたと思ってます。
私は自分の新しい趣味や興味を発見するのが大好きです。それは私がさまざまな視点で多くのことを理解するのに役立ちました。
それに、自由な時間があるときはいつでも、勉強に没頭しようと常に努めています。”
名前:リデシュ・ライ(Hridesh Rai)
学年:9年生
趣味:ギターを弾くこと、音楽を聞くこと、絵を描くこと
学校の男子リーダーで2019年の学校ミスターコンテストで優勝
リデシュ・ライ君も自分の趣味について話してくれました。
“私は小さい時から音楽が好きで、ギターを弾くことも私のお気に入りです。私はギターを弾くのが大好きで、気分が良いときはいつでもギターをつかんで弾き始めます。”
“私が最近気になっているもう1つの興味深いことは、絵を描くことです。
それは実際にリラックスして、気分をリフレッシュするのにすぐに役立ちます。何かをすることに飽き飽きしているときや疲れているときはいつでも、すぐに描き始めます。絵を描くことは、集中力を維持するスキルも高めたと思います。
先生や友達と一緒に学校に行くのが恋しいですが、このロックダウンによって、お気に入りのアクティビティをすべて自宅で行うことができ、クリエイティブな活動を続けることができて嬉しいです。”
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今月号のご報告は以上になります。
お読みいただきありがとうございます。