平素は温かいご支援を賜り誠にありがとうございます。
両校で、今年度最後の期末テストが始まりました。
子供たちには、勉強してきた成果を発揮してほしいですね!
テストが終わると、春休みに入り、ネパールの新年(4月14日)を迎えます。
コタン校 近況報告
①秋田さんの活動レポート
ナマステ!
コタン校インターン生の秋田です!
いよいよ春が訪れ桜が咲く季節となりました。今年1年がどんな1年間になるのかと、気が引き締まる思いでいっぱいです。
さて、春は別れと出会いの季節とよく言いますが、私も先日1年間のコタン校でのインターンを終え、日本に無事帰国致しました。
この1年間、YouMe Schoolと、私の活動を温かく見守ってくださったサポーターの皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
私ですが、皆様ご存知の通り、昨年の4月より、コタン校にYouMe Schoolの先生として駐在させていただきました。
1年前、これから1年間コタンの地で過ごしていくんだ。と不安や希望に胸を膨らませていたのを思い出します。
この1年間を思い返すと、子どもたちと体育の授業をしたこと、クラウドファンディングでお金を募り図書館を作ったこと、本の貸し出しシステムを作り貸し出しを行なったこと、学級文庫を作り子どもたちが気軽に本が読めるようになったこと、幼稚園クラスに読み聞かせを導入したこと、学びとして畑を作り野菜や花を育てたこと、地域の清掃活動をしたこと、毎日子どもたちと1時間かけて登校したこと、昼休みにみんなと遊んだこと、村人たちと積極的にコミュニケーションをとったこと、など充実した1年を過ごせたように思います。
しかし、それだけではなく悩んだことや苦しんだこともありました。
「大学もまだ卒業していない、専門的な知識すらない自分に何ができるのか?自分はここにいるべき人間なのか?」
この問いに何度も苦しみました。
そう悩んでいるうちに、子どもたちの前で笑顔が消えることもありました。
そんな時、ある生徒が私にこう言ったのです。
「なんで先生笑ってないの?」
ハッとしました。情けなかったです。
1番大切なことを忘れていたように思います。
それからというもの私は、「どうせ専門的なことなんて今はできないから、自分にできることを1つずつやっていこう」と考えるようになり、最初の問いに対して割り切ってからは、気持ちが楽になりました。
そして、いつも笑って過ごすように心がけました。
その生徒には、今でも感謝しています。
またこの1年間、YouMe Schoolでの活動と同じくらい大切にしていたことがあります。
それは、積極的に村人に近づくことです。
ここでの近づくは、心の距離を表していますが、心の距離を近づけるためにできることはなんでもやりました。
まず、この1年間、YouMe Schoolから1時間、標高400m下ったところにある代表シャラド・ライさんの家にホームステイさせていただき、ライさんのお母さん、生徒と先生と一緒に住み、学校に通いました。
学校の近くに住むこともできました。
しかし、私はあえて遠くの家に住み、遠くから何時間もかけて歩いて登校している子どもたちと同じ環境に自分の身を置くことを選びました。
(コタンの村の風景)
(ホームステイ先の家族)
ネパールの子どもたちが、山道を何時間も歩いて学校に通うという話は、よく聞くかと思います。
私は、彼ら彼女らがどんな想いで生活し、どんな想いで学校に通っているのか、身をもって感じ、知りたかったからです。
通学路は、決して楽な道のりではありません。途中、バイクも車も通れない山道も歩いていきますから文字通り「登校」なのです。1年間この道を子どもたちと共に歩いて、学校に行きたい、学校で勉強したいという気持ちが相当ないと、こんなに時間をかけて学校に行くことはできないなと強く感じました。
(通学路)
(1年間一緒に通学した、学校から遠くに住む子どもたちと)
また、それ以外にも大切にしていたことが、村人とのコミュニケーションです。
YouMe Schoolの周辺地域の村の人々たちと、積極的にコミュニケーションをとりました。
最初は、ネパール語がほとんど分からないながらにも、覚えたネパール語を使ってたくさんのことを話しました。
それを繰り返しているうちに、ネパール語もだんだんとわかるようになってきて、最初と比べていろんなことを話せるように、いえ、話せるというよりは、村人たちが私に色々なことを話してくれるようになりました。
ネパール語がわかるようになって、村人たちの想いや考えを聞くことができるようになりましたし、私がネパール語を使っていることをとても喜んでくれました。
言葉だけではなく、ネパールの生活にできるだけ溶け込みました。
この経験から私は、国際協力というものに対して、「専門的な知識や豊富な経験よりも、まずは現地の人々に近づく姿勢」という考え方を確立することができました。
現地の人に近づき、溶け込めば溶け込むほど、知れることがたくさんあると感じました。
もちろん専門的な知識は、国際協力においてとても大事なことですし、現状を変えていくためには必然的なことです。
しかし、それと同じくらい大切なものがあると思いました。
これが国際協力において何よりも大事なこと、根底にあるものだと身をもって感じました。
私の1年間の駐在は終わりましたが、これからは、この1年間で身をもって感じたこと、知ったことを日本でたくさんの方々に伝えていかなければならないと思っています。
それが1年間コタンの地に住んだ私にできること、いえ、私にしかできないことです。
私は、YouMe Schoolの子どもたちと1年間過ごせて本当に幸せでした。
最後の登校日には、子どもたちと先生方が盛大にお別れ会を開いてくれましたが、私は「さよなら」は言わず、「また会おう」と伝えました。
なぜなら、ネパール語には「さよなら」にあたる言葉がないからです。
またみんなの笑顔を見られるのを楽しみに、日本でも頑張っていこうと思います。
ネパールの方たちのように、心から笑って過ごしていきます。
最後になりましたが、1年間本当にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。
今後とも、YouMe Nepal、YouMe Schoolを応援よろしくお願い致します。
YouMe School
コタン校 インターン生
秋田 康平
モラン校 近況報告
①熊谷さんの活動レポート
ナマステ!YouMe Schoolモラン校にて、2月からインターンをさせていただいております、熊谷修平と申します。
2ヶ月間のインターン予定でしたので、今回が2回目であり、最後の活動報告となります。
現在すでに日本に帰国し、この原稿を書いております。
時間は一瞬で過ぎてしまったものの、心は未だにネパールのどこかを彷徨っているかのような感覚です。
【私の活動】
3月となり、ネパールの学校も年度末で学年末試験の時期となりました。
授業もRevisionがメインとなり、放課後もクラスが設けられ、第6学年、第7学年が放課後居残って勉強をしていました。
インターン始めは英語の先生とチームティーチングを行ったり、先生の休みの代打としてクラスにはいったりすることが多かったです。
ですが、2月の終わりに英語の先生がポーランドへ留学をすることになってしまい学校を去ったので、校長先生と話し合った末、彼女の持っていたクラスの担当と、テストの作成、Revisionの担当を引き受けることになりました。
担当した教科は英語の文法、一般教養です。保険やコンピューターの授業もあったのですが、私の知識不足と、短時間で数本の教科書を把握することは難しかったです。
なので、教授するまでには及ばず、第7学年には自習をお願いしました。
またその時間を利用し、日本の私立中学校とインターネット交流を行うことができました。
機械のトラブルに悩まされましたが、皆笑顔で交流を終えることができました。テスト前にして、緊張がほぐれた瞬間でもあったかなと思います。
私は、今回のインターン経験を通して、オールイングリッシュによる授業について再度考える機会を得ました。
グローバル化が進むなかで、現在の日本の学校でも中学校・高校の外国語の授業ではオールイングリッシュでの授業を推奨されています。児童・生徒のレベルに応じて対応するため、母国語の使用も可能です。英語を第二言語とする国として世界最高レベルのインドと接するネパールでも、最近では多くの学校で英語で授業を行うことが多いそうです。
もちろんYouMe Schoolもその一つの学校であり、ネパール語の授業以外は英語で行われています。
日本は昔から文法の指導に固執し、間違いに恐れてアウトプットするのが苦手な傾向がありました。だからというわけではないのですが、より言語を「活用できるもの」にするために、言語を用いて何かができるようになるような取り組みがされてきています。
対して、YouMe Schoolの学生達のアウトプット力はとても高いです。もちろん聞いたり読んだりするインプット力も長けており、私もこのような教育を受けてきたかったと内心思ってしまいました…。
ですがその反面、言語の軸となる発音や文法の正確性が低いという印象を受けました。
もちろん英語は多くの国で使用されており、国や地域によってアクセントの違いや癖があるので「正確な英語」というものを定義するのは難しいかもしれません。
ですが試験ではどうしても点数が伸び悩む問題であるのも事実です。
学期末試験は勿論のこと、SEEなどの高校受験、大学受験では、俗に言う”正確”な英語力が求められます。そのため私はドリル形式でRevisionを兼ねた文法指導を徹底的に行いました。
すると1週間に一回行っていたエッセイの課題でも文法ミスが減りはじめ、はやくも効果を得ることができました。
また私は、空き時間などを利用して、ネパール人の先生方の授業を参観させていただきました。
そこで気づいたこととして、YouMe Schoolの子供達は純粋に先生の使用する英語を吸収し、身につけているということです。
そのため上述した通り、発音や文法、訛りの癖、全てがオールイングリッシュで授業を行う先生に委ねられてしまうのだなと思いました。
私も今年の4月から、岩手県の高校で英語の教師になります。
ここで得た発見は大きく、この経験を生かして教育に携わっていきたいと思います。
【イベント】
私のインターン生活最終日は、Holi Festival(ホーリー祭)でした。春の訪れを祝う祭で、インド・ネパールを中心に行われます。
「ハッピーホーリー!」との言葉とともに、色粉や色水をかけ、水風船で遊び祝います。
YouMe Schoolでも授業後に開催され、子供達一人一人がカラフルになりました。
ホーリー祭の最中に私の送別会もしてくださり、受け持ったクラスから写真とTシャツをいただきました。
このインターン生活を通して、言葉では表せないほど多くのことを感じ、知り、経験させていただきました。
活動レポートに載せられないことも沢山。正直ネパールにいた際は、日本に帰りたいと思う暇もないほど(虫と一緒にシャワーを浴びなきゃいけない事実に最初の数十秒だけ…)時間が過ぎていき、子供達の、ネパール人の暖かさに触れる毎日でした。
ライさんの妹であり、YouMe Schoolモラン校の代表であるマルさんにもとてもお世話になり、航空券を延長して残って欲しいと行ってくれた時は、涙が溢れそうになりました。
来てよかったと、自分が少しでも誰かの役にたてていたことが嬉しかったです。
帰国日に学校の子供達に別れを告げ、目に涙をうかべてくれる子供達に「必ずまた戻ってくる」と約束しました。
また成長した彼ら彼女らと出会うために、私も日々精進していきたいと思います。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださったYouMe Nepalの皆様に、ここで感謝の気持ちをしるさせていただきます。
本当にありがとうございました。
オンライン授業プロジェクト
現在オンライン環境構築の準備を進めており、2019年度の序盤で開始できる予定です。
2018年度については、まだ環境が整っておりませんでしたので、オンライン授業を実施する予定の学校で、SEE(中学卒業試験)の対策プロジェクトを行っておりました。
このプロジェクトに参加した、タムリチャ校の生徒2名をご紹介させてください。
※なお、2018年度のSEE(中学卒業試験)は、2019年3月24日(日)~4月1日(月)の期間で実施されます。
【サビナちゃん】
サビナちゃんは、11人家族の1人で、毎日学校の勉強の他に、料理や水汲み、芝刈りなどの家事のお手伝いをしています。
そんな忙しい毎日の中でも、図書館で本を借りて読むなど、精力的に学問に取り組み、学年でも1位を獲得するほど優秀な学生です。
タムリチャ校では、SEEに向けて、キャンプという授業前や放課後に行う特別授業を実施しており、サビナは、このキャンプに参加していました。キャンプでは、通常の補習授業に加え、映像教材を用いた授業なども行ったため、サビナ自身とても効率的に勉強ができたと語っています。これのプロジェクトを通してより積極的に学問に励んだ結果、SEEに好成績で合格する自信をつけることができました。
サビナには、中学校を卒業後、農業を学ぶという目標があります。それは、農業の革新を通して、都会から離れた地方を発展させたいという思いがあるためです。
このプロジェクトを通して培った学力や自信をもって、これからもその夢に向かって進んでくれることを願っています。
【モハンくん】
モハンくんは、非常にまじめで優秀な生徒です。彼もまた、家事から家畜のエサやりなどを行っていますが,勉強にとても真摯に取り組みます。学校の休み時間には、よく図書館で興味のある本を読んだりしています。彼は優秀ではありますが、少しシャイなところがあり、例えば、人前で話すことなどがあまり得意ではないタイプでした。しかし、YouMe Nepalが実施したキャンプを通して、クラスメイトや先生と積極的に会話するようになり、学力だけでなくコミュニケーション能力を培うことができました。
モハンくんは、中学校を卒業したら隣町の学校に通い、更にレベルの高い勉強をする目標があり、将来は、ネパールのために貢献できるような人間になりたいという夢もあります。
YouMe Nepalは、オンラインプロジェクトが始まるまでの間も、一人でも多くの生徒の夢を叶えるべく、教育改革に取り組んでいます。
ランドセル寄付プロジェクト開始!
4月1日より、ソフトバンク株式会社様のご協力のもと、全国のソフトバンクショップと、ワイモバイルショップで、ランドセルの寄付受付がスタートします。
日本全国からランドセルの寄付を受け付け、集まったランドセルをネパールの西部に位置するカルナリ州の4つの市にある公立学校196校に届ける「愛のランドセル寄付プロジェクト」を開始します。
このプロジェクトは、4つの市からのランドセル受け入れレター、ネパールの“女性、子供および高齢者省“による後援を受け、YouMe Nepalの日本スタッフ、現地スタッフ(Timi Ma Nepal)、そして配布先で活動している他NPOと連携して進めるプロジェクトになります。
寄付される方は、国内送料・海外送料など費用を負担する必要がないプロジェクトになります。
寄付については条件等がありますので、詳しくは下記キャンペーンサイトをご参照ください。
キャンペーンサイト:
https://www.softbank.jp/mobile/special/randsel/
今回集まったランドセルを送付する先は、YouMe Schoolではありません。
このプロジェクトを企画検討していた際に、最も物資を必要としている州としてカルナリ州を選定しました。
カルナリ州は、ネパール西部に位置しており、ネパールの7州の中で最も発展が遅れている地域です。
このプロジェクトは、その州の4つの市長から受け入れ状、そして配布する小学校と、配布できる全ての生徒をリストアップして推進しております。
配布する学年は、体力や体格を考慮しグレード4〜8です。(※おおよそ日本の小学校3年生〜中2まで)を対象としています。
丈夫で軽いランドセルは利用価値があると判断し、推進しています。
これは、YouMe Schoolの子供たちにランドセルを使ってもらった経験からです。
身の回りに小学校を卒業される方がいらっしゃいましたら、是非ご紹介いただけると幸いです。
キャンペーンサイト:
https://www.softbank.jp/mobile/special/randsel/
今月のご報告は以上になります。
お読みいただき、ありがとうございました。