YouMe Nepalをご支援してくださっている皆さま
7月のマンスリーレポートをお届けいたします。
<コタン校レポート>
2076年前期期末試験(低学年)
生徒たちは6月30日から7月8日まで行われた2076年前期期末試験を受験しました!テストを受けるのは楽しいことではなさそうですが、生徒たちが暮らしていく上でとても大切です。知識や理解のレベルを確認することができます。
ネパール国内でずっと続いていた豪雨は、自然や環境へのダメージを与えるだけではなく、90名以上もの尊い命を奪う自然災害となりました。コタンはこの自然災害による影響を多く受けた地域で、住民は常に地すべりや避難しなければならないという恐怖にさらされていました。この災害で日々の学校運営も大きな打撃を受け、YouMe Schoolは1週間ほど休校になりました。しかし現在は状況も改善しており、7月18日からは通常授業がスタートしています。
<モラン校レポート>
6月30日〜7月8日 前期期末テスト
(Parent-Teacher discussion)前期期末テスト結果分析会
(先生たちの会議の様子)
モラン校でも前期期末試験が行われました!
それぞれのクラスで優秀な成績を収めた生徒たちには賞が贈られました。同日行われた「先生の日(大雨の影響で中止されていました)」を、祝う式はケーキカットによって幕を閉じました。同じ日に生徒と先生、両方を祝う式が開催されました。
<オンライン教育プロジェクト>
オンライン教育プロジェクトを進めているリンチュンブンも豪雨災害の影響を受け、土砂崩れによって道路が閉鎖されるなどしてインターネットの接続にも問題が生じました。
オンライン授業は約一週間中断されることになりました。
登校困難となる生徒も多く、インターネット接続が非常に不安定なため授業を続けることも困難となったからです。
今回、スペシャルゲストととしてアディカ・ライさんがカトマンズのTimi Ma Nepal にいらっしゃいました。
アディカさんはリンチュンブン群バラムタのShree Captain Parshuram Padma Rai Madhyamik 学校の卒業生で、昨年実施した、オンラインクラスを導入する前のSEEに向けた学習支援プログラムに参加して、見事にSEEを全科目合格し卒業することができた学生の一人です。
彼女はYouMe Nepalが提供した学習支援プログラムについて、いかにSEE受験に対する恐れや先入観を解消してくれ、自身がどのように最善の結果を出すことができたかを、カトマンズ事務局からインターネットを通じてリンチュンブンの母校の後輩達に共有してくれました。
また彼女はこの機会にネパールスタッフ(Timi ma Nepal)とこれからの将来の計画や今後の進学に関する課題などについて話し合いをしました。私達はアディカさんのような優秀な学生には 高等教育の修了まで最低でも2年間経済的支援を提供することを計画し始めています。
ネパールスタッフはこのような話し合いなどを通して支援予定の学生と常にコミュニケーションをとっています。
支援している学生が納得のいく進路を決めるまでフォローアップを続けることも私たちの目標です。
このプロジェクトの結果や課題についてプロジェクトに参加した英語教師のDhruva Dalanath Luitel先生を取材しました。
Dhruva Dalanath Luitel – オンラインクラスの英語の先生
①今回のプロジェクトにはどのような思いをきっかけに参加されましたか。
⇒教壇に立って今年で17年になりますが、私自身も村の出身で農村部で教師をした経験もあります。勉強のできない生徒に教えたときに生徒から授業内容を理解できた聞いた時の喜びは何事にも代えがたいです。 生徒を支えることは私にとって生きがいです。
②これまでのプロジェクトでの経過についてどう思いますか。
⇒今は生徒のパフォーマンスにとても満足しています。なぜかというと生徒は授業と私の教え方を理解しているからです。また、生徒のことも以前よりも理解し、信頼関係を築くこともできています。今後この調子でさらに成果を上げることができればと思っています。
③先生の今後の目標についてお聞かせくだい。
⇒このプロジェクトのターゲットはまず生徒に『鉄の関門』とも呼ばれるSEEを突破させることだと思います。そのため当然私個人の目標もこのオンラインプロジェクトのターゲットと付随するものになります。まず生徒に学びに対してポジティブな考えを持ってもらい、授業
に気軽に取り組めるようにすることでSEE受験を成功させることが私の目標です。
<Ashaプロジェクト>
Nishal Gurung – Grade III
私たちのチームはニシャール君が在籍しているカトマンズのAshraya Vidya Sadan学校を定期的に訪問しています。公立学校出身の彼は一生懸命新しい環境に慣れるために頑張っています。学校の先生方も彼の努力と勤勉さに感心しているそうです。
※アーサ プロジェクトについて (ネパール語で「アーサ」は「希望」)
ネパールの震災を機に(団体の能力に限りはありましたが)非常に貧しい数名の子供を支援するための資金援助プログラムをアーサプロジェクトとして現地で立ち上げています。
<日本での活動>
【YouMe Nepal ロゴのリニューアルのお知らせ】
8月1日にYouMe Nepalのロゴをリニューアルしました。
「元のロゴは2013年に僕の友人が作ってくれたものです。学校を表す屋根の下で、先生(大きな手)と生徒(小さな手)とで本を読んでる姿がモチーフでした。YouMe Nepalの”o”だけが赤いのは日本の国旗の日の丸を入れてもらったからです。この度、今のメンバー達がYouMe Nepalが大事にしているロゴに込めた想いを尊重し、より良くしたものにしてくれてとても嬉しいです。」
(代表:シャラド・ライ)
「元のロゴのイメージを損なわず、より親しみがわくようにやわらかなシルエットにし、色はネパールと日本の国旗カラーを使い、お互いの国のイメージをさらに強くしました。
書体は視認性と全体のイメージにあわせた書体に。手のシルエットはひとつのイメージに限定させないよう、手を差し伸べる、握手、本を支える、といった色々なイメージを含ませました。」
(デザイナー:岡 睦)
ネパールと日本のフレンドシップをより強固にし、とても愛着の湧くデザインになっていると自負しております。皆様にもお気に召していただけると嬉しいです。
【カシオ計算機様からプロジェクターの寄贈】
カシオ計算機株式会社様から5台のプロジェクターを寄贈いただきました。
超短焦点と水銀フリーを特徴とした教育現場でも多く使われているプロジェクターです。
YouMe Schoolやオンライン教育プロジェクトへの活用を計画しています。
水銀を使用していないので、教育現場や地域環境に配慮されているだけでなく、レンズ破損の心配がなく、レンズ交換不要で20,000時間使え、防塵性能も備えているそうです。安定した電力供給や物流インフラが整っていない地域では、とても有意義な特徴だと印象を受けました。
<講演会を開催>
「東大最先端のSDGs×教育×アジア」&ネパールEdTechオンライン教育革命の現地報告会を7月28日に開催いたしました。
会場はサイボウズ株式会社様にご協力いただきました。
イベントは、シャラドからYouMe Nepalの取り組みを紹介した後、主催の横山氏が昨年ネパールに訪れた際の、「ネパール訪問現地報告」をゼロ校校長内藤氏、現地に同行した高校生とパネルディスカッション形式で行いました。
最後にシャラドから東京大学で学んでいるSDGsの概要、教育に関しての指針や現状のネパールの教育課題についての説明を行いました。
今月のレポートは以上となります。
引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。