2020年6月号 

平素はご支援を賜り心から感謝申し上げます。

はじめに、ネパールの現在の状況ををお伝えします。
政府は、3月24日から続いていたロックダウンの緩和措置を、6月15日から段階的に行うことを発表しました。

第1段階では、農業、製造業、建設業など幅広い経済活動が認められ、ロックダウン中も可能であった、食料品、野菜、果物、乳製品、薬などの販売は継続します。
また行政や民間企業の再開もシフト制による半数以下の職員出勤なら活動が可能になりました。
私用の車、バイクもナンバープレートの末尾数字を偶数日と奇数日で分け、運転が可能となりました。
しかし、教育機関、公共交通機関、娯楽施設などはまだ緩和にいたらず、再開の目途はたっておりません。
また、6月に入ってから感染者数が日に日に増えており、1日当たり500人以上、合計で1万2千人を超えてきており、予断を許さない状況が続いています。


<コタン校近況報告>
【読書を楽しむ】
ネパール政府は新型コロナウィルスの影響をあまり受けていない危険度の低い地域でのロックダウンを緩和することを決定したので、コタン校の子供たちは学校の図書室を訪れ、読書をしながら束の間のひと時を楽しみました。

また、3か月もの長い期間会えなかった友達や先生と再開でき、嬉しさが伝わってくる瞬間でした。しかし、本格的な学校の再開はまだしばらく時間がかかることが予想されます。

 

【3階部分増築】

公益信託今井記念海外協力基金様、公益財団法人大阪コミュニティ財団様からの助成金を活用し、3階部分の増築が始まりました。
パソコン教室、多目的ルーム、教室4つの合計6部屋を増やします。

4つの教室を増やすことで、1,2階部分の教室数と合わせると、10学年までの教室が確保できることになります。また、寄贈いただいたパソコンやiPadを有効利用するためにパソコン教室と、雨天でもダンスや運動ができる多目的ルームも
増築します。

 

【YouMe農園】

公益財団法人味の素ファンデーション様と協同で実施している食育プロジェクトの一環で始めたYouMe農園。
例年では先生指導の下、子供たちが耕し、種を蒔き、植物の成長過程を記録しますが、今シーズンは学校がしばらく休校なため、ダラニ校長先生が牛を使って耕してくれました。

今年もトウモロコシの種を蒔き、すくすくと成長しています。去年は害虫と干ばつの影響で作物の育ちが悪く、収穫も儘なりませんでしたが、今年はたくさん収穫できることを願っています。


<ビラトナガル校近況報告>
【理科の授業】

9年生に対するオンライン授業は順調に進んでおります。写真は理科の授業をオンラインで受ける様子です。
それ以外の学年の子供たちには、毎日先生方が電話で健康状態の確認、家庭での過ごし方のアドバイスや宿題を課しています。
もうしばらくこの困難な状況が続きそうですが、子供たちと一緒に乗り越えられると信じています。

 

【ロックダウン中の生徒の様子】

YouMe School幼稚園の児童であるAshish Rajbanshi君は、家で石鹸と水で手を洗っています。石鹸と水で手を洗うことは、コロナウイルスだけでなく、他の多くの病気から身を守るための最初のステップです。生徒たちが手を洗うことと感染症との闘いに役立つ清潔であることの重要性を認識してくれているのは嬉しいことです。


<オンライン授業プロジェクト>

ネパール政府は、新型コロナウィルスの影響で今年の中学卒業試験(SEE)を中止すると発表しました。代替措置として、各学校の内部試験評価に基づいて結果を発行します。したがって、オンライン授業対象のバラムタとバラハ校の生徒は、学校での内部試験の成績に基づいて結果を取得し、11学年に進級することができるようになりました。

中学卒業試験がなくなったことにより、公立学校2校の10年生80人に対して1年間続けてきたオンライン授業の成果を測ることができなくりましたが、教育格差がある山間部の公立学校の生徒に、少しでも勉強をする目的や楽しさに気づいてくれるきっかけを提供できたと信じています。引き続きオンライン授業の可能性、将来性を探りながら来年度再びチャレンジできればと思います。


<ホームページを新しくしました!>

以前のホームページよりも視認性を高め、各ページのデザインを統一しました。
団体の活動内容をお伝えするニュースや過去のメルマガ、コンテンツは、スライドショーボタンで前後の記事が簡単に読めるようになっています。
また、スマートフォン画面に対応し、団体の各SNSにアクセスしやすいようフッターに固定されています。
新しくなったホームページを是非ご覧ください!
https://youmenepal.org

今月のご報告は以上になります。
引き続き何卒宜しくお願い致します。