日頃よりご支援を賜り、心から感謝申し上げます。
新型コロナウィルスの影響で3月23日から続いているロックダウンは、5月7日まで延長が決定されました。感染者数は約50人と諸外国より少ないですが、インドと国境を面しているため、状況次第ではさらなる延長も考えられます。
ネパール側の運営スタッフ、先生方、子供たち全員の無事は確認されています。
全ての学校は、休校が継続され、新学期スタートの目途は経っておりませんが、
団体が運営するビラトナガル校の9年生に対して、先週からオンライン授業をスタートすることができました。
午前中に2科目数学・理科、お昼休みを挟んで午後は、英語・国語の主要科目をオンラインで教えることができています。
その他の学年の子供たちには、担任の先生が電話で安否確認と宿題を出し、子供たちの様子や精神面をサポートするために毎週定期的に確認しています。
また元気に登校する子供たちの笑顔が戻るよう願うばかりです。
今月号は、2019年度の主な活動を振り返りたいと思います。
<コタン校>
【YouMe Farm(ユメファーム)の拡張】
味の素ファンデーション様と協同で取り組んでいる給食プロジェクトの延長で、一年前に小さな農場(ユメファーム)を作りました。YouMeスクールに通う子供たちの家庭は農業がメインで生活をしています。だからこそ子供たちには、農業がこの地域社会にとても重要で不可欠なものだという事を知ってもらうことが大切だと考えています。
子供達が訪れ、視覚的そして体験的に農業のプロセスを知るための活動ができる場所となっています。
子供達が農業の価値と可能性を理解する一番の方法は、リアルな体験をする事。
そのための環境を与え、手助けしてあげることが私たちのすべき事だと信じています。
【ノートパソコンの寄贈】
2017年度に、ノートパソコンを50台寄贈していただいた武蔵塗料ホールディングス(株)様が、今回は実際に現地コタン校に、はるばるお越しくださいました。
首都カトマンズから学校のあるコタンまでの道中は、雨季で普段通る道が洪水で使えず、迂回して別ルートの悪路を10時間かけて来てくださいました。学校に到着後セレモニーが行われ、19台のノートパソコンを子供たちに直接手渡ししてくれました。
パソコンを使った授業を取り入れているYouMe Schoolでは、寄贈して頂いたパソコンが、子供たちの学習スキル向上や実践的な知識を学ぶことに触れられる重要な役割を果たしています。
武蔵塗料様とのご縁は、同社に勤務するネパール人のプラカーシュ・タパさんが、当団体代表シャラド・ライと親交があり、団体のヴィジョンに共感してくれたことから始まりました。
武蔵塗料ホールディングス(株)様、タパさん、絶え間ないご支援に心から感謝申し上げます。
【スポーツ週間】
今年は、生徒たちがゲームアクティビティに参加することを奨励するという方針のもと、コタン校でスポーツウィークを開催しました。
日替わりで、サッカー(男女別)、バレーボール、バドミントン、チェス、二人三脚、袋競争など、さまざまな屋内外のゲームを用意し、子供たちは熱意をもって参加しました。
子供たちは、素晴らしい運動神経を披露し、一生懸命頑張りました。最後に各種目の優秀者には表彰状が配られました。
学校では将来の人生において、スポーツも主要科目と同じくらい重要だと考えています。
今年度も定期的にスポーツ週間を取り入れていきます。
<ビラトナガル校>
【ピクニック】
コタン校と違い冬休みはありませんが、ビラトナガル校で3学期試験が終わった1月20日に、学校からスクールバスで2時間の距離にあるシムサールのベタニでピクニックを催しました。
モラン校の生徒は、校外学習やピクニックといった課外活動に積極的です。
同級生や他学年の友人と一緒に食事やアクティビティを楽しんだりするこの様々な活動を通じて生徒が視野を広げることを常に奨励しています。
子供たちはこのピクニック会場をとても気に入り、この特別な日に計画していたダンスやゲームなど、すべての活動を楽しみました。
ピクニックは、子供たちにとても好評なため、学校では毎年必ずピクニックをすることに決めています。
『ハウス対抗プレゼンテーション大会』
モラン校の子どもたちは、各学年ごとではなく、縦割りのハウスと呼ぶ4つのグループに所属しています。
各ハウスは、ネパールの山にちなんだ名前がついています。子どもたちは、自分が所属するハウス名(例:エベレスト)に関するトピックをワードなどで作成し、それをハウスごとに発表する大会を実施しました。
ICTを活用することは、学校での勉強に不可欠な存在になっています。
パソコンの授業を応用し、自分で作成した資料を発表することにより、調べたトピックに関して理解度が進み、また人前で話すことで、話し方や伝え方を学ぶことができます。
【ミス・ミスターコンテスト】
モラン校で「Mr. and Ms. YouMe」コンテストが開催されました。小学校4年生から中学2年生(8年生)の男女が参加エントリーし、審査員団は先生方が務めました。
コンテスト内容は、モデルウォーク、タレントショー、一般常識Q&Aなどをラウンドごとに競いました。
ラウンドが進むにつれて、子供たちはステージ上の友人に声援を送り、会場はとても盛り上がりました。
最後にモラン校のミスターは、8年生のリデシュ・ライくん、ミスは、8年生のチャンダニ・ライちゃんが見事に選ばれました!
<オンライン授業プロジェクト>
ウダヤプル郡リムチュンブン市と協力して推進しているオンライン授業プロジェクトは、市内の公立学校2校の10年生80人の生徒に対して、2019年度の1年間継続して首都カトマンズから優秀な先生方が苦手教科である数学・理科・英語の3科目を週3回オンライン授業を提供することができました。4月に実施予定だった中学卒業試験(SEE)は、新型コロナの影響で延期となり、まだ具体的な日程は未定のままです。
都市部との教育格差・地域格差を改善するために始めたこのプロジェクトも、クラウドファンディングで多くの皆様からのご支援で実施することができました。ご協力してくださった皆様に改めて深くお礼申し上げます。
<愛のランドセル寄付プロジェクト>
ソフトバンク株式会社様と協同で始めた“愛のランドセル寄付プロジェクト”は、多くの方々のサポートのお陰で約2万個のランドセルをネパールの子供たちに渡すことができました。
現地でもランドセルにかかる関税を無税にして下さった経済省をはじめ、州知事、教育委員会、現地スタッフ、トラックでランドセルを運搬できない険しい山岳地帯では、保護者の方々がランドセルを背負って運んでくれたりと、ネパールでも多大ならご理解・ご協力があり、このプロジェクトをスムーズに進めることができました。
カルナリ州では、1万5千人の子供たちに、コタン郡では5千人の子供たちにランドセルを渡すことができました。
日本とネパールの架け橋になるような教育事業を今後も続けて参りますので、引き続き団体の活動を温かく見守って頂けると幸いです。
2020年度もランドセル寄付の受付をスタートしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受けて、ソフトバンク様と協力し4月1日から推進していた【愛のランドセル寄付プロジェクト】を休止することが決定しました。
再開時期については未定となります。
ご準備くださっていたみなさまには深くお詫び申し上げます。
https://www.softbank.jp/mobile/special/randsel/
<日本での活動>
【ネパールでぼくらは。】
代表シャラド・ライの故郷コタンを訪れる写真家:幡野広志さんと、書くことの尽きない面々(古賀史健さん、浅生鴨さん、田中泰延さん、永田泰大さん)の長編読み物が、ほぼ日刊イトイ新聞で掲載されています。
ネパールのこと、シャラドのこと、コタン校のことなど面白いコンテンツが盛りだくさんです。
この自粛期間中にいかがでしょうか?
是非ご一読ください。
以下リンクからご覧いただけます。
https://www.1101.com/nepal/
【中学校での講演】
2019年5月29日、千葉県柏市にある中原中学校にて代表シャラドが国際交流の一貫としてネパールや団体の活動について講演をしました。
全校生徒と先生が参加し、合計90分の講演となりました。
ビラトナガル校の子供たちと中継でオンライン交流もしました。
講演を聞いた生徒たちの感想を紹介します。
~中原中学校の生徒達の感想~
● 自分や周りの環境を良くするために大きなことをすぐにするのは難しい。だけど意識を少しずつ変えなければいけないと思う。幸いにもこの国には学ぶ機会や教える人が沢山いる。せっかくあるものだからフル活用して「私」を向上させたい。
● 今の自分が恵まれた環境にいることを忘れずに生活していきたい。
● 感謝を忘れずに、今を楽しみ、笑顔で生活していきたい。人のために何かをすることによって自分自身の自信や強み、楽しみになるということが、とても素晴らしいことだと感じた。
● 自分達にとっては当たり前だとしても、当たり前じゃない人もこの世の中にはいると思うから、この当たり前のように生きている時間をもっと大切に生きていこうと思った。
● 小さいことでも自分が何かを成し遂げるチャレンジ精神をもちたいなと思う。ライさんのような自分がやりたいことを成し遂げる人、誰かの役に立つ人になりたいと思った。
●僕もいちいち失敗を恐れて動かないではなく、少しずつでも動けるなら動いていくことを新しく Challenge していきたい。そして、一人でも多くの人の役に立ちたい 。
【カシオ計算機様からプロジェクターの寄贈】
カシオ計算機株式会社様から5台のプロジェクターを寄贈いただきました。
超短焦点と水銀フリーを特徴とした教育現場でも多く使われているプロジェクターです。
YouMe Schoolやオンライン教育プロジェクトへで活用させていただいております。
水銀を使用していないので、教育現場や地域環境に配慮されているだけでなく、レンズ破損の心配がなく、レンズ交換不要で20,000時間使え、防塵性能も備えているそうです。安定した電力供給や物流インフラが整っていない地域では、大活躍のプロジェクターです。
カシオ計算機株式会社様、サポートしていただき感謝申し上げます。
【あなたの「明日」を変えるトークイベント〜KIZASHIに登壇】
今年2月に行われたKIZASHIにて代表シャラドが登壇しました。
「あなたが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだ。」
シャラドが大好きな、小説家パウロ・コエーリョ氏のこの言葉をテーマにした10分間のプレゼンテーションです。
その時の映像が公開されました。ぜひ、ご覧ください!
今月のご報告は以上になります。
引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。