2022年10月

日頃よりご支援を賜り、本当にありがとうございます!

 

<コタン校>

【食育プロジェクトの旅】

 

「個々だと私たちは一滴。一緒だと私たちは海。」芥川 龍之介

 

 

公益財団法人味の素ファンデーション様と共通の目標を掲げ2017年にスタートした食育プロジェクト。
このプロジェクトは、子供たちだけでなく子供たちの家族と地域住民の方々も巻き込み、たくさんの方々の人生に良い影響をもたらすことができたプロジェクトとなりました。

通常ネパールの僻地で、学ぶことのない栄養や衛生の問題を、プロジェクト実施により意識してもらうことに成功し、健康的な食習慣や、手洗い、歯磨きなどの基本的な衛生環境の改善に結びつきました。

今日は、この6年間の食育プロジェクトのマイルストーンと成果を振り返ります。

 

 

 

【味ベーカリー】

1つ目のプロジェクト【味ベーカリー】では、先生たちの住む寮の1階部分にベーカリーを建設し、地元住民を雇用し子供たちへの給食提供を行いました。

山道を最長で片道3時間かけて通学する子供がいるコタン校では、以前から低身長・低体重の問題がありましたが、彼らはランチに栄養価がない安いスナック菓子を食べることが日常的であったため、その現実が改善しないままとなっていました。

味ベーカリーで作った給食を提供することで、子供たちの健康をサポートできることと同時に、地元の雇用も生み出せ、雇用創出にも寄与しました。

このプロジェクトを通じ、子供たちだけでなく親御さんや先生たちの食生活の改善や栄養学習へのインパクトを与えることができました。

 

 

 

 

【夢ファーム】

2つ目のプロジェクト【夢ファーム】

夢ファームプロジェクトでは、学校近くに農場を作り子供たちが畑を耕す所から育てた野菜を地元のお店に売買する所まで全てを行うことで、失敗を繰り返しながらも子供たち自身の考える力と行動力を養うサポートが出来ました。

また、地球環境問題や食育の実践的な学びへも結びつけることができました。

コタン校に通う子供たちの家庭は農業をメインで生活しており、子供たちは小さな頃から農業の手伝いをすることで基礎的な知識を持ち合わせていますが、夢ファームプロジェクトにより、更に深く専門的な知識を提供することが可能となりました。

これまでに子供たちは、とうもろこし、大根、からし菜、トマト、にんじん、その他多くの野菜を育てることに成功し、収穫してきました。

未だ水道の通っていないコタン郡で水不足に悩まされることも多々ありましたが、子供たちはそんな変化にも適応する能力を身につけました。

このプロジェクトで身につけた子供たちの思考力・行動力・適応力が、今後困難な状況を解決する糸口になることを祈っています。

 

 

【健康診断と栄養学習】

3つ目の【健康診断と栄養学習】

コタン校は標高1,500m〜に位置し、子供たちは通学で山道を長時間歩く必要があり、とても体力を使います。
コタン校に通う子供たちの平均通学時間は約1時間で、道はガタガタの山道なので、登山をするのと同じくらいの体力を消耗します。

子供たちの通学風景(コタン校)
​​https://www.youtube.com/watch?v=G524ReJRKE8

そこで、この健康診断プロジェクトではそんな子供たちの健康状態を知るため、代表ライの妹であり看護師のニーシャが年に2回簡単な健康診断を行っており、その他健康に関する栄養の学習や、優勝すると賞品がもらえる栄養試験、また子供たち主催の栄養をテーマにした演劇やプレゼンテーションなども実施し、楽しく栄養知識を学べる取り組みを行ってきました。

過去に子供たちが一切触れることの無かった栄養や衛生の知識を学ぶことで、プロジェクト実施後には子供たちが食事の栄養価などに気を遣うようになり、体調不良を訴える子供たちが減りました。

先生とニーシャが知恵を絞りさまざまな角度から栄養学習をアプローチすることで、子供たちが少しずつ関心を寄せ、親御さんやご近所の方までを巻き込み、今後もコタン郡に良い影響をもたらすことが出来ると考えております。

 

 

 

【歯医者さんがコタン校にやって来た!】

4つ目の【歯科検診】

年に2回の簡単な健康診断ではカバーし切れない部分を補うため、先日カトマンズから6人の歯医者さんにお越しいただき、歯科検診が行われました。

以前親御さんへ行ったアンケートでは、57.7%だけが1日に2回歯を磨き、40.9%は1日1回、そして残りの方々は週に数回しか歯磨きをしていないことがわかりました。

今回のプロジェクトは、子供たちだけでなく親御さんと、近隣の方々にも通知をし、350人以上の方々に参加いただきました。
当日は、歯のクリーニング・抜歯・歯の詰め物・歯科検診、そしてカウンセリングが行われました。

歯科検診は、参加された方々からの感謝とポジティブな想いで幕を閉じました。

今回カトマンズからお越しいただいた『Om Samajデンタルクリニック』の先生方に深く感謝申し上げます。

 

 

【家庭訪問】

5つ目の『家庭訪問』

看護師のニーシャとコタン校校長、そして先生たちが年に2回、2週間以上をかけ全子供たちの家庭を家庭訪問し、家庭での衛生状況や食事習慣をカウンセリングし、食育をわかりやすく親御さんへ説明していきます。

看護師ニーシャは具体的に「食事の前の手洗い」や「週に何回入浴するか」、「病気を治療するか」など、日常の健康に関するさまざまな懸念を質問し、アドバイスしていきます。

これらはシンプルですが、健康を維持するためにとても重要な事柄です。

この6年間に渡る細かな調査と指導により、親御さんのライフスタイルに大きな変化が見て取れるようになりました。

今後更に衛生環境や食事習慣が改善され維持されていくため、今後もたゆまぬ努力を続けていきます。

 

 

 

【夢食堂】

以前に行ったアンケートで、91.3%の親御さんが「学校に食堂を設置してほしい」と回答していましたが、僻地のコタンでは手に入る食材が限られてしまうことや、水不足の面を考えると、毎日栄養価が高く安価な給食を提供することは不可能とされていました。

ですが、校長先生や先生たちが考え出した戦略、「給食に夢ファームの野菜を利用する」「野菜や豆を乾燥させて作る保存食をうまく利用する」「お肉が手に入りづらいコタン郡で、タンパク質を豆類で補う」などを実行し、現実のものとすることができました。

まだまだ完璧ではない夢食堂ですが、夢給食が子供たちの食生活を少しでも良い方向に変え、子供たちの生涯の健康に良い変化を及ぼすことが重要と考えます。

 

 

 

 

【味の素ファンデーションチームがコタン校にやってきた!】

長年YouMeスクールの子供たちをサポートいただいている味の素ファンデーション様が先日、コタン校にプロジェクトの最終視察にお越しくださいました。

子供たちは、まずダンスで歓迎し、その後廃棄物で作成した宝物たちを紹介するなど、喜びで溢れていました^ – ^

その後、子供たちは演劇を披露。
テーマは「家族に蔓延するアルコール中毒」と、とても重いテーマですが、子供たちは『長期的に幸せで豊かな生活を送るために、衛生管理と健康的な食習慣を維持することがいかに重要か』を伝えるために、みんなで相談し印象的なトピックスを選んだと話していました。

 

味の素ファンデーションの皆様、この度はコタン校にお越しいただきありがとうございました!

そして、この6年にも及んだ食育プロジェクトを支えてくださり、心から感謝申し上げます。
YouMe Nepalは今後も子供たちの健康を一番に考え、プロジェクト維持、継続に全力を尽くしていきます!

 

 


 

 

 

<ビラトナガル校> 

 

【先生たちも勉強します!】

「学ぶことは、決して心をすり減らしたりはしない」 レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

 

今回ビラトナガル校で、先生たちの指導技術向上のため、オンライントレーニングが行われました。

今回のセッションでは小学校教諭13名、中学校教諭11人が参加し、子供たちとのつながりを深めるために役立つテクニックや最新の教育戦略、そしてどのように授業課題を進めていく必要があるのかを学びました。

特に幼稚園組や低学年の子供のように、年齢が小さければ小さいほど彼らに対処することは難しくなります。
そこで低学年を教える教師は、教育のハードスキル(データベースの取り扱いや、マイクロソフトオフィスなど)と共に、ソフトスキル(コミュニケーション力、チームワーク、忍耐力、リーダーシップ​)も学ぶことで、それを最大限に活用し、強みに変えることができました。
こちらは、()グローバル ランゲージ インスティテュート様との協同プロジェクトです。

 

【ハッピーダサイン!】

ネパールの人々にとって最も縁起が良く、最大のお祭り『ダサイン』は、9月の下旬から始まり、約2週間続きます。
ダサインの最終日は必ず満月にならなければいけないので、毎年日にちが前後します。

そもそもダサインはヒンドゥー教のお祭りですが、ネパールでは8割がヒンドゥー教なので、ネパール国民の祭日となっています。
ビラトナガル校では、祭日に入る前に歌やダンスで構成された祝賀会が行われました。

ダサインの初日に行われるのが、「ガタスタパナ」と呼ばれるこの大麦の種を撒く習わしで、この日子供たちはお祈りをしながら種を植えました。

そして祭日終了後には、学校に親御さんが招かれ、プジャの祭典(ダサイン最終日)が行われ、子供たちが植えた大麦が使われました。
種からは芽が出て、綺麗に成長していますね。

そして先生たちは、『幸せが来るように』と祝福の意味を持つティカを親御さんに付け、プジャは終了しました。

新型コロナウイルスが落ち着いたことで、YouMeスクールでは親御さんたちが一緒に参加できるようなさまざまなイベントが行われています。
このようなイベント開催は、先生たちと親御さんが自然とコミュニケーションが取れるきっかけとなり、良い関係作りの手助けになります。

 

 

【アートの時間】

ダサイン祭りのすぐ後に開催されるのが、ネパールで2番目に大きな祭り、ティハールです。
ティハールは計5日間行われ、それぞれの日に祝う生き物や人が決まっています。

1日目:カラスの日
2日目:犬の日
3日目:富の女神:ラクシュミーの日
4日目:牛の日
5日目:兄弟・姉妹の日

ティハールでは、家をランプやイルミネーションで飾ることから光の祭りとも言われています。

今回子供たちは、家を飾る伝統的なオイルランプを手作りしました。

みんな夢中になり芸術センスを発揮し作ったランプは、個々の個性が出ていてとっても素敵☆

このイベントはみんなの満点の笑顔で幕を閉じました。

 

 

【ダサイン】

ダサインで有名な竹で出来たブランコ。
地面から足を離すと縁起がいいと言われているネパールでは、1年で1番縁起の良いこの日に、大人も子供もこのブランコに乗ります。
ブランコに乗るとなぜかみんな笑顔になりますね^ ^

 

 

【凧を飛ばす】

引用: https://photo.ntb.gov.np/photo/5111/children-flying-kite-during-dashain

ダサインでは、よく凧揚げをする人々を見かけます。
伝統的に、凧揚げはインドラ神(雨の神)に「これ以上雨が降らないように」とのメッセージを送るためと考えられています。
この時期、人々はカラフルな凧揚げを家族や友人と一緒に楽しみます。

 

 

 


 

 

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今月のレポートは以上となります。
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